情報公開と説明責任の問題

 
 

本年2月初旬、武田薬品は県条例に基づくアセスメント評価書案の説明会に関するリーフレットを近隣住民に配布した。これには事業内容の肝心なこと、特にP3施設の存在や遺伝子操作等“住民の健康や安全に重大な係わりのある事実”が一切書いてない。住民の多くはタウン情報誌や人伝えに本計画を知って驚いたというのが現実である。

また、その住民説明会においても、武田側の説明は工場解体と建設計画に重点が置かれ、肝心な事業内容(扱う病原体・微生物、動物実験)などは自ら明らかにせず、極力隠蔽しようとする意図が明白であり、法令遵守という空虚な美辞麗句に終始した。
さらに、その後の住民の意見書に対する「見解書」および7月5日の(県主催の)公聴会においても、武田側は何ら住民の疑問と不安にマジメに答えようとしなかった。

同様の不誠実な対応は、「武田薬品」主催の地域限定の説明会(7月21日)においても認められた。武田は初め「悪臭は出ない」と説明したことに対して、出席者がその旨文書確認を要求したところ、今度は「臭いはある程度出るが、数値は低い。臭いの感じ方には個人差があるので、絶対出ないという文書は出せない」と説明を変更。また、この席で武田側は、以後住民への説明会を一切行わない旨宣言。出席者の多くが住民の生命や健康に対して全く無関心である、との印象を持った。住民の不安と恐怖感は増すばかりである。


Q100 武田側はこれまでの説明会で説明責任を果たしたと言っているが、3km以内の人でも説明会の知らせを受けない人もいる。不十分な周知で、結論を出して良いのか。

Q101 悪臭は出ない、と住民に説明した以上、これを文書で確認するのが当然である。また、新研究所は絶対安全であり問題ない、と再三言明しているのであるから、これも文書で県民・市民・住民に確約すべきである。特に、「絶対安全で、問題ない」のであれば、自ら進んで全てを包み隠さず明らかにして、文書化するのが合理的であろう。何故(文書で約束することを)怖がるのであろうか? “不都合な真実”があるのか?


情報公開について

Q102 人の生命保護の必要性を認めた大阪高裁の判決を知って欲しい。
現有施設の内規全てを提示すべき。

Q103 今後、モニタリングの結果は、住民にも定期的に報告すべき。
人の健康と命に比べ、企業秘密が重んじられているのではないか?
日本製薬工業協会の倫理規定(積極的かつ公正に開示)はどうなっているのか?
大気、汚水、生態系の日常観測の実施と疫学調査が必要である。 
   
Q104 武田は過去に鳥インフルエンザワクチンの開発に携わったが、今は、鳥インフルエンザワクチン開発はしないという。しかしノウハウを保有する以上、やがて研究は可能である。今後、どのような研究を、何を使って行うおうとするのか、社会的責任において公開すべきではないか。

   
法令遵守というコトバの本音

Q105 武田側はアセス評価書案とその説明会において、住民意見に対する見解書において、(7月21日の説明会において、「法令に従い適切に処置するので安全である」と何度も繰り返し強調した。それはあたかも「法令遵守は特別の美談であり武田以外の企業は法令遵守していない」と主張しているように聞こえるが、如何? 
さらに、日本は(立地規制など)バイオ実験・施設に対する立法処置の点で欧米に比べて著しく遅れているため、実質規制のないのが現状である。従って、「法令に従い適切に処置するので安全」と主張することは、逆に非常に危険であることを示している。6月3日の県の環境影響評価審査会において、「住民の不安を取り除くためには法以外は対処しないという姿勢をとらない方が良い」という意見が複数あったが、武田はどのように理解しているのか?

Q106 (敷地内幹部用社宅の建設)武田側は新研究所が絶対安全であると主張する以上、敷地内に幹部用社宅を作り、身をもってその安全性を示すべきである。それが一般住民の要求である。十二天遺跡を踏みにじってまで工場の敷地内に社員寮を建設した実績があるのだから、その実績を活かしては如何?