2008年3月12日 |
||||||||
(仮称)武田薬品工業株式会社新研究所建設事業 |
||||||||
幹 事 川 本 幸 立 |
||||||||
目 次 |
||||||||
|
||||||||
概要説明書(武田薬品工業)株式会社、H20年2月)内容を踏まえて、以下の意見を提出する。
|
||||||||
1.未然防止、予防原則、説明責任の徹底について |
||||||||
|
研究所はABC公害(*)の発生源となる環境リスクを伴う施設である。 (*)A:放射性物質、B:生物、C:化学 とりわけ、バイオハザード(生物災害)の特性として、@病原体等が漏出しても直ぐには検出は困難、A条件が整えば増殖する、B不顕性感染がある、C病原体の分離・同定が技術的に困難なため原因不明とされたまま経過することがある、などが挙げられる。 そこで、「地域社会への貢献」のために、事業者の使命として、 ・施設を発生源とする公害の未然防止と予防原則の尊重 ・立地選定や安全管理の実態も含めた住民への説明責任の徹底(住民との安全情報の共有とリスクコミュニケーション) を銘記すべきである。 |
||||||||
2.WHO規定などの遵守について |
||||||||
|
「周辺環境に十分配慮しながら本事業を進める」のであれば、以下の法令、規則類を遵守する必要があると考える。遵守の有無、遵守しない場合その理由を明確にしていただきたい。 |
||||||||
|
@世界保健機関(WHO)「病原体等実験施設安全対策必携」第3版 A世界保健機関(WHO)「保健関係施設における安全性」 BWHOバイオセーフティプログラム C第58回世界保健会議決議 D生物多様性条約とカルタヘナ議定書 E建設大臣官房官庁監修「官庁施設の総合耐震計画基準・平成8年版」 F日本建築学会編「実験動物施設の設計」(彰国社) G日本建築学会編「平成8年度ガイドライン実験動物施設の建築および設備」(アドズリー) HJIS K3800-2000「バイオハザード対策用クラスUキャビネット」 |
||||||||
3.立地及び配置条件、住民合意について
|
||||||||
上記の法令・規則等に基づき、遺伝子組換え実験施設、病原体実験施設、動物実験施設について、以下の項目を満足してい るかチェックすべきである。 |
||||||||
|
(1) 遺伝子組換え実験施設 |
||||||||
|
@ 実験施設は人のいるすべての地域に害を与えないように、その立地に配慮されているか。(2AWHO「保健関係施設における安全性」) A 可燃物を使用する火災危険の大きい施設は、火災の影響と類焼を最低にするために患者や公衆が近くにいる地域並びに可燃物保管施設から離れて立地しているか。(2A同上) B 汚染された空気は、実験施設内に再び入ったり再還流しないように、また隣接する建物や公共施設に入らないように排気されるか。(2A同上) C 災害対策要綱の作成にあたっては、危険に曝される職員と住民の範囲を確定しているか。災害対策要綱は一定の間隔をおいて見直し、また当局と周辺住民団体に提供しているか。 (2A同上) D 周辺の気流状況、接地逆転層、いぶし現象の場合の施設排気の状況を検討しているか。 (『感染研の国際査察』技術と人間) E 建設について周辺住民の同意を得ているか。(EU理事会指令、カナダCDC) |
||||||||
(2) 病原体実験施設 |
||||||||
|
@〜E 1.1に同じ F レベル3実験室からの排気は直接建物の外に排出し、人のいる建物とその空気取入 れ口から遠く離れて拡散されているか。(2@WHO「病原体実験施設安全対策必携」) G 病原菌類・放射性物質を貯蔵又は使用、研究する施設については、特に周辺へ危険が及ばないような配置になっているか。(2E「官庁施設の総合耐震計画基準」) H 過去の災害記録・地盤調査などをもとに地震、洪水、津波などの災害危険度の大きい箇所への立地は避けられているか。(2E同上) |
||||||||
(3) 動物実験施設 |
||||||||
|
@ 感染微生物、寄生虫を媒介する昆虫などの棲息地域ではないか。(2F「実験動物施設の設計」) A 飼育対象の動物種が羅患し易い病気が潜在又は流行している地域ではないか。(同上) B 悪臭、騒音等、動物飼育にともなって発生する多岐に渡る問題で周辺住民に迷惑を及ぼさないよう、住宅隣接地を避けて立地しているか。(同上) C 明確な将来計画に基づき、増設・拡張が容易な構成配置か。(同上) D 動物の飼育舎は独立の離れた単位施設か。(2@「「病原体等実験施設安全対策必携」」 E 建設について周辺住民の同意は得ているか。(2F) |
||||||||
4.評価項目の「安全」の中の「危険物等」について |
||||||||
|
@ 病原体、実験動物、DNA廃棄物も「危険物等」に含まれると思われるが、その記載がない。その理由はなにか。 A 病原体を将来とも扱わないのであればその旨を明記すべきである。(関係法令である感染症法の記載もない) B 取り扱い、保管する主要な危険物の種類と量を明記すること。〜実験動物の種類と年間使用頭(匹)数、放射性物質、特定化学物質、有機溶剤、病原体類など |
||||||||
5.地震・火災時など非常時の対応と危険物漏洩・拡散の影響評価の実施について |
||||||||
|
研究業務に伴う危険物漏洩・拡散の周辺への影響評価が行われていない。 平常時、非常時などにおいて以下の予測・評価を行うべきである。 (1)平常時の排出・漏洩量の予測 @ 実験に伴う排水や排気中や廃棄物に含まれる一次側の病原体等の種類、量、サイズ(排気の場合)はどの程度か。 A HEPAフィルタ、排水処理設備、高圧滅菌機などの実際の除菌・滅菌性能を把握しているか。 B 実験排気量と拡散範囲、環境中に漏出する病原体等の種類と量はどの程度か。 (2) 非常時の対応と排出・漏洩量の予測 @ 大地震動時(震度7)の対応と被害、環境中に漏出する病原体等の種類と量の予測の最大はどの程度か。 A 火災発生時の場合。とりわけP3施設やRI施設の消火設備及び排煙設備の実際。 B 停電時の場合。 C 機器(システム)故障時の場合。 (3) 人為的ミス・過誤の予測 @ 人為的ミス・過誤にはどのようなものが想定されるか。 A 人為的ミス・過誤の発生確率はどの程度か。 B その場合の対応、環境中に漏出する病原体等の種類と量の予測の最大はどの程度か。 (4) 被害予測 @ 周辺環境(居住者、生活行動、施設、自然環境など)を把握しているか。 A 平常時、非常時において漏出する病原体等の拡散範囲と量はどの程度か。 B 実験感染者の行動範囲とその影響はどの程度か。 C ABにより想定される被害はどの程度か。 |
||||||||
6. 供用開始後のモニタリングの実施について |
||||||||
|
供用開始後に病原体等による環境影響等のモニタリングを行うべきである。 @ 病原体等の流出や被害の有無、程度を確認するためにモニタリングを実施 (水質、排気、大気測定など)する計画があるか。 A 疫学調査を定期的に実施する計画があるか。 |
||||||||
7.社内規定類の公表について |
||||||||
|
評価書案に記載されている「社内規定」の概要について教示いただきたい。 少なくとも以下の「規則類」「対策書」については開示されるべきと考えるがいかがか。 ・研究所安全管理規程 ・自主管理マニュアル ・組換えDNA実験安全規則 ・病原微生物取扱い実験安全規則 ・実験動物取扱い安全規則 ・放射性物質取扱い安全規則 ・感染性廃棄物処理計画、管理規程 ・混触危険物取扱い要領 ・環境保全管理方針 ・緊急時対応規程 ・環境保全対策書 |
||||||||
8.安全情報の公開とリスクコミュニケーションについて |
||||||||
|
供用開始後の日常の業務に伴う安全管理の実態について一般に開示すべきと考えるがいかがか。住民とのリスクコミュニケーションについてどのように考えているのか。 |
||||||||
9.その他、概要説明書における不明事項について |
||||||||
|
以下の内容について明らかにしていただきたい。 ・廃棄物焼却施設のダイオキシン対策の詳細とモニタリング方法について ・実験器具類の洗浄水の処理について ・実験排水の処理内容について、及び放流基準遵守の確認方法 ・バイオハザード対策キャビネットのHEPAフィルター及び排気ダクトのHEPAフィルターの現場試験方法 ・固液分離処理を一般動物排水及びRI動物排水が生活排水・一般汚水排水と同様とみなせる根拠 ・既存施設のアスベスト建材の実態と解体時の対応について ・風害の予測方法の詳細について(周辺の既存の構築物や障害物、地形の詳細な考慮の有無など) ・施設の液状化対策について |
||||||||
以 上 |
||||||||
![]() | ||||||||